不在者投票証明書とは、公職選挙法施行令に基づき、選挙人名簿登録地の市区町村選挙管理委員会が、不在者投票を行おうとする選挙人に対して交付する証明書である。滞在地での投票の際に投票用紙とともに用いられる。
選挙人名簿は住所地の市区町村が管理するため、出張先や入院先など名簿登録地以外の場所では、その選挙人が二重に投票していないことを投票先で確かめる手立てがない。不在者投票証明書は、名簿登録地の選挙管理委員会が投票用紙・不在者投票用封筒とあわせて発行し、滞在地の選挙管理委員会や指定施設の投票管理者がこれを確認することで、登録地以外での投票を成立させる仕組みである。選挙人は投票日までに名簿登録地へ請求し、郵送または窓口で交付を受ける。証明書は不在者投票用封筒(外封筒)に封入したまま投票先へ持参し、開封前に投票管理者が記載事項を照合する。証明書を紛失したり開封したりすると不在者投票ができなくなるため、交付時には未開封のまま保管するよう案内される。
交付請求から投票までの流れ
不在者投票証明書は、選挙人が名簿登録地の市区町村選挙管理委員会へ投票用紙等とあわせて請求することで交付される。請求は所定の請求書(宣誓書を兼ねる様式が一般的)により、郵送でも受け付ける。交付された投票用紙・内封筒・外封筒・証明書は一体で扱い、滞在地の選挙管理委員会や指定病院・老人ホーム等の不在者投票管理者の面前で投票する。投票後は記載済みの投票用紙を内封筒に入れて封をし、外封筒に署名したうえで、不在者投票証明書を添えて名簿登録地へ送致される。証明書はこの一連の本人性・二重投票防止を担保する中核書面であり、欠けると不在者投票自体が不受理となる。
開封・紛失の禁止と無効リスク
不在者投票証明書は封筒に封入された状態で交付され、選挙人が自分で開封してはならない。開封された証明書を提示しても投票先の投票管理者は受理できず、その時点で不在者投票ができなくなる。これは、証明書と投票用紙の対応関係を改変できないようにし、すり替えや事後の不正を防ぐためである。紛失した場合は再交付を受ける必要があり、投票日までの日程が逼迫するとそもそも間に合わない。実務上、選挙管理委員会は交付時に「開封せず、投票当日に投票先で開封される」旨を文書で明示し、誤開封による無効を防いでいる。
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