ジチテン

不当な取引制限

読み:ふとうなとりひきせいげん

意味

不当な取引制限とは、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)第2条第6項が定義する行為類型で、事業者が他の事業者と共同して価格や数量、取引先等を制限し、公共の利益に反して一定の取引分野における競争を実質的に制限する行為をいう。独占禁止法第3条後段が禁止する中核的な違反行為であり、カルテルや入札談合がこれに該当する。

入札談合カルテルを「なぜ違法か」と突き詰めると、根拠は独占禁止法が禁じる不当な取引制限という一つの行為類型に行き着く。談合もカルテルも法律の条文上の名称ではなく、不当な取引制限に当たる行為を実務が呼び分けた通称である。独占禁止法第2条第6項は、複数の事業者が共同して相互にその事業活動を拘束し、競争を実質的に制限することをこの類型と定め、第3条後段がこれを禁止する。違反が認定されると、公正取引委員会排除措置命令課徴金納付命令を出し、悪質な場合は刑事告発に至る。自治体の調達担当者にとって重要なのは、入札談合が単なる入札ルール違反ではなく独占禁止法違反であり、官製談合防止法による職員の関与防止とあわせて、競争を確保するための制度の骨格をなしている点である。談合に発注機関の職員が関与すれば官製談合として別途責任を問われるが、事業者側の行為そのものを違法とする土台はこの不当な取引制限にある。

談合・カルテルとの関係

不当な取引制限は、独占禁止法第2条第6項に置かれた法律上の行為類型名であり、カルテルや入札談合はこの類型に含まれる行為を指す実務上の呼称である。価格を申し合わせる行為がカルテル、入札で受注予定者や落札価格をあらかじめ決める行為が入札談合で、いずれも複数事業者が共同して競争を制限する点で第2条第6項の要件を満たす。条文は「事業者が、契約、協定その他何らの名義をもつてするかを問わず、他の事業者と共同して」相互に事業活動を拘束し、一定の取引分野における競争を実質的に制限することと定める。つまり明文の合意書がなくても、価格や受注順位についての意思の連絡があれば成立しうる。立証では、受注実績の不自然な均等配分や価格の同調といった間接事実が手がかりとなる。

違反への措置と課徴金

不当な取引制限が認定されると、公正取引委員会は独占禁止法第7条に基づく排除措置命令で違反行為の差止めや再発防止を命じ、第7条の2に基づく課徴金納付命令で違反期間中の対象売上額に一定率を乗じた額の納付を命じる。さらに第89条以下は不当な取引制限に対する刑事罰を定め、公正取引委員会の専属告発を経て刑事責任が問われることもある。一方、違反を自主的に申告した事業者の課徴金を減免する課徴金減免制度(リーニエンシー)が設けられており、談合の摘発を内部からの申告に頼る仕組みになっている。自治体は、入札談合の疑いを把握した場合に公正取引委員会へ通報する立場にあり、官製談合防止法に基づく職員の関与防止と並んで、発注者として競争の確保に責任を負う。

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