普及指導員とは、農業改良助長法に基づき、試験研究機関の成果や技術・経営の情報を農業者へ直接伝え、現地での技術指導と経営相談にあたる都道府県の職員である(農業改良助長法)。
新規就農者が栽培技術につまずいたとき、産地が新しい品目に挑戦したいとき、誰が現地まで足を運んで助言するのか。その担い手が普及指導員である。都道府県が設置する農業普及指導の専門職員であり、試験場が開発した技術や品種、国の施策の情報を、現場の農業者へ橋渡しする役割を担う。
普及指導員になるには、農林水産大臣が実施する普及指導員資格試験に合格する必要がある。配置される拠点は改良普及センター・農業改良普及センターなどと呼ばれ、都道府県の地域機関として管内の市区町村を受け持つ。日々の業務は、ほ場を回っての栽培指導、土壌診断や病害虫対策の助言、経営収支の分析、認定農業者の経営改善計画づくりの伴走、新規就農者の定着支援など現場密着の内容が中心となる。
自治体の農政担当にとって普及指導員は、市区町村単独では持ちにくい技術・経営の専門性を補う連携先である。担い手の育成、スマート農業の導入、6次産業化や地産地消の取り組みでは、普及指導員・JA・市区町村が役割を分担して農業者を支える。かつて農業改良普及員と生活改善普及員に分かれていた職が、2005年の法改正で普及指導員に一本化された経緯がある。
制度の根拠と資格
普及指導員は、農業改良助長法に基づく協同農業普及事業の中核を担う都道府県職員である。協同農業普及事業は、国と都道府県が協力して試験研究の成果と農業技術・経営の情報を農業者へ普及する仕組みであり、その現地活動を担うのが普及指導員である。普及指導員として活動するには、農林水産大臣が実施する普及指導員資格試験に合格しなければならない。受験には一定年数の農業改良普及に関する研究・調査・指導の経験等が求められ、専門的な知見を担保する仕組みになっている。2005年の法改正前は、技術指導を担う農業改良普及員と、農村生活の改善を担う生活改善普及員の2職種に分かれていたが、改正により普及指導員へ一本化され、技術と経営・生活を一体で支援する体制となった。
配置と現場での役割
普及指導員は、都道府県が地域ごとに置く改良普及センター(農業改良普及センター・普及指導センター等、名称は都道府県により異なる)に配置され、管内の市区町村と産地を受け持つ。主な活動は、ほ場での栽培技術の指導、土壌診断や病害虫防除の助言、経営収支の分析と改善提案、認定農業者の農業経営改善計画の策定支援、新規就農者の技術習得と定着の支援、産地ぐるみの新品目導入や産地パワーアップの取り組みへの伴走などである。市区町村の農政担当が単独では持ちにくい技術・経営の専門性を補い、JAの営農指導とも連携して農業者を支える。担い手育成・スマート農業・6次産業化・地産地消といった地域農業の振興施策では、普及指導員が現場と行政をつなぐ結節点として機能する。
つながりのある用語
関連
ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)