ジチテン

福祉医療費助成

読み:ふくしいりょうひじょせい

別名:マル福別名:福祉医療制度
意味

福祉医療費助成(マル福)とは、地方自治体が条例に基づき、医療保険の自己負担分の全部または一部を独自に助成する制度の総称である。子ども・障害者・ひとり親家庭など、条例で定めた対象者の医療費負担を軽減するものである。

医療保険に入っていても、窓口で払う自己負担が重ければ受診をためらう層が生まれる。福祉医療費助成は、国の制度では拾いきれない子ども・重度障害者・ひとり親家庭などの自己負担をさらに肩代わりし、必要な受診を妨げないために自治体条例で設ける仕組みである。国の法律に根拠を持つ制度ではなく、対象者の範囲・所得制限の有無・自己負担額・現物給付償還払いかが自治体ごとにまちまちで、隣の市と内容が違うことが珍しくない。「マル福」という通称は、受給者証に丸囲みの福の印を用いたことに由来し、こども医療費助成や乳幼児医療費助成、重度心身障害者向けの助成は、いずれもこの総称に含まれる個別の助成事業として整理できる。窓口実務では、国の公費負担医療の対象になる場合はそちらを先に適用し、なお残る自己負担に自治体助成を充てる順序の見極めが要になる。

国の制度ではなく自治体の単独事業ゆえに内容が割れる

福祉医療費助成という名前の全国一律の法律はない。市区町村や都道府県がそれぞれ条例・規則で対象者と給付内容を定める単独事業であり、財源も基本的に自治体(都道府県と市区町村)が負担する。都道府県が補助要綱で枠組みを示し、市区町村がそれに上乗せや対象拡大を重ねる二層構造をとる地域が多く、同じ都道府県内でも市区町村ごとに対象年齢や所得制限が異なる。子ども医療費を高校卒業まで無料とする自治体がある一方、就学前までに限る自治体もあるなど、住む場所で給付が変わるのはこの単独事業性に根がある。転入・転出のたびに受給資格や手続きを取り直す必要が生じるのも、制度が自治体単位で完結しているためである。

国の公費負担医療との優先順位と現物給付化の論点

対象者が国の公費負担医療(自立支援医療指定難病の特定医療費など)にも該当する場合、まず国の制度を適用し、なお残る自己負担に自治体の福祉医療費助成を充てるのが原則である。国の制度で賄える分まで自治体が肩代わりして二重に給付することを避けるためであり、窓口では国制度の該当可否の確認が助成の前提になる。給付方式には、窓口で自己負担を支払わずに済む現物給付と、いったん支払って後から払い戻す償還払いの二つがあり、現物給付化は受診の利便を高める一方、国民健康保険国庫負担金が減額される調整措置(波及増分の扱い)の論点と結びつくため、方式の選択は財政面と一体で判断される。

つながりのある用語

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