ジチテン

エコツーリズム

読み:えこつーりずむ

別名:エコツアー
意味

エコツーリズムとは、地域の自然環境や歴史・文化を観光資源とし、それを損なわないよう保全しながら、来訪者が体験し理解を深める観光のあり方をいう。

貴重な自然を観光に生かしたいが、人が押し寄せれば環境は傷む――この相反をどう両立させるかに答えるのがエコツーリズムである。地域の自然・歴史・文化を資源として活用しつつ、その保全と地域振興を同時に図る観光の考え方で、来訪者にガイドが付いて自然の価値を解説し、立入りや人数を管理しながら体験を提供する形が典型である。2008年施行のエコツーリズム推進法は、市町村が関係者による協議会を設けて全体構想を作成し、保全すべき自然観光資源を特定して保護できる仕組みを定めた。観光収益の一部を保全に還元する流れをつくることで、自然を守ることが地域の利益になる関係を築こうとする点に特徴がある。

エコツーリズム推進法の仕組み

2008年に施行されたエコツーリズム推進法は、自然環境の保全と観光振興・地域振興の両立を図るための枠組みを定める。市町村は、観光事業者・地域住民・自然保護団体・学識経験者などからなるエコツーリズム推進協議会を組織し、対象地域や活用・保全の方針を盛り込んだエコツーリズム推進全体構想を作成して国の認定を受けることができる。全体構想で「特定自然観光資源」に指定された動植物や地形は、過度の利用による損傷を防ぐため、立入制限などの保護措置の対象となる。観光による利用と資源の保護を同じ計画の中で扱う点が、この制度の核心である。

グリーンツーリズムなど近接概念との違い

エコツーリズムは、自然や文化を体験する観光という点でグリーンツーリズムやジオパークと近いが、力点が異なる。グリーンツーリズムは農山漁村に滞在して農作業や暮らしを体験する余暇活動を指し、農村振興の色合いが強い。ジオパークは地質・地形の遺産を保全しつつ教育・観光に生かす地域認定の仕組みである。これに対しエコツーリズムは、自然観光資源の「保全と利用の両立」そのものを理念に据え、利用のルールづくりと保全への収益還元を組み込む点に特徴がある。持続可能な観光(サステナブルツーリズム)やオーバーツーリズム対策の文脈でも、利用を管理する手法として参照される。

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