ジチテン

電磁的記録

読み:でんじてききろく

意味

電磁的記録とは、電子的方式・磁気的方式その他人の知覚によっては認識できない方式で作られ、電子計算機による情報処理に供される記録をいう(行政手続オンライン化法、電子署名法ほか多数の法令の定義)。

紙に記された文書なら誰が見ても同じものが残るが、画面上のデータは複製・改ざんが容易で、しかも目で直接読めない。電磁的記録は、この「目で読めないが法的には記録として扱う対象」を各法令が共通に切り出すための受け皿概念である。行政手続のオンライン化、電子署名による真正性の推定、行政文書の開示、電子帳簿の保存など、デジタル化に関わる規定はいずれも「文書・図画」と並べて「電磁的記録」を明記することで、紙でなくても同じ法的効果を及ぼせるようにしている。自治体実務では、行政文書管理規程が管理対象を「職員が職務上作成・取得した文書、図画及び電磁的記録」と定義し、情報公開条例も開示対象に電磁的記録を含める。電子データや電子文書という日常語と指す範囲はほぼ重なるが、法令上の定義語はこの電磁的記録であり、条文を読むときはこの語が手がかりになる。

紙の文書と同じ効力を電子に及ぼすための定義

日本の法制度は長く「文書」を前提に組み立てられてきたため、行政手続をオンライン化するには、紙でない記録にも文書と同等の法的地位を与える必要があった。そこで個別法ごとに「電磁的記録」を定義し、申請届出・処分通知などの場面で文書に代えて用いることを認めた。行政手続オンライン化法(情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律)は、書面で行うとされた手続を電磁的記録で行えると定め、電子署名法は電磁的記録に本人の電子署名がなされていれば真正に成立したものと推定するとした。定義に共通するのは「人の知覚によっては認識できない方式で作られ、電子計算機による情報処理の用に供される」という限定で、紙やマイクロフィルムのように直接読める媒体とは区別される。

行政文書・公文書としての電磁的記録

自治体の行政文書管理規程や情報公開条例は、管理・開示の対象を「文書、図画及び電磁的記録」と定義し、サーバやファイルサーバ上の電子ファイルも紙の決裁文書と同じ行政文書として扱う。したがって電子決裁起案・決裁された記録、電子メールで送受信した記録も、組織的に用いるものとして保有していれば情報公開請求の対象になり、開示の方法も閲覧・写しの交付に加えて電磁的記録の提供(媒体での交付やダウンロード)が選択肢となる。公文書管理の電子化が進むなかで、作成から保存・廃棄までを電子のまま統制し、真正性・完全性を技術的にどう担保するかが実務の論点になっている。

つながりのある用語

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