ジチテン

データヘルス計画

読み:でーたへるすけいかく

意味

データヘルス計画とは、健康保険組合・市町村国保などの医療保険者が、健診結果やレセプト(診療報酬明細書)のデータ分析に基づいて策定・実施する、加入者の健康保持増進のための事業計画をいう。

保険者が行う保健事業を勘や前例ではなくデータに基づいて組み立てるには、何を計画にまとめればよいのか。その答えがデータヘルス計画である。高齢者の医療の確保に関する法律(高確法)が保険者に作成を求める保健事業実施計画にあたり、2015年度から本格的に運用が始まった。保険者は、特定健診の結果やレセプトを分析して加入者の健康課題(生活習慣病の有病・重症化リスク、医療費の動向など)を把握し、優先順位をつけて保健事業を設計・実施し、効果を評価して次期計画に反映するPDCAサイクルを回す。具体的な事業には、特定保健指導、糖尿病性腎症の重症化予防、ジェネリック医薬品の使用促進、重複・頻回受診者への訪問指導などが含まれる。計画期間は国の指針により他の医療費適正化の枠組みと足並みをそろえて設定される。市町村国保の担当課にとって、特定健診・特定保健指導と一体で保健事業を進める計画上の土台にあたる。

データに基づくPDCAと事業設計

データヘルス計画の核心は、保険者が保有する健診・レセプトデータの分析を出発点に保健事業を設計し、効果検証を経て改善する一連のPDCAサイクルにある。保険者はまず、特定健診の受診率や有所見率、レセプトから読み取れる疾病構造・医療費の構成・重複受診や頻回受診の状況などを分析し、自らの集団の健康課題を可視化する。そのうえで、課題の大きさと改善可能性を踏まえて事業の優先順位を決め、目標値と評価指標を設定する。実施する事業は、特定保健指導、糖尿病性腎症重症化予防、後発医薬品の使用促進、受診勧奨や重症化予防の保健指導などが中心となる。計画期間中は中間評価を行い、最終的に目標の達成度を評価して次期計画へ反映する。前例踏襲の保健事業から、データの裏づけを持つ事業選択への転換を制度的に促す点に、この計画の特徴がある。

関連計画・他施策との連携

データヘルス計画は、保険者が同じく策定する特定健康診査等実施計画と一体で運用されることが多く、両計画を一冊にまとめて策定する保険者も多い。市町村国保の場合、国民健康保険の保険者として策定するデータヘルス計画は、市区町村の健康増進計画や医療費適正化計画とも目標や対象集団の面で重なるため、整合を図りながら進める必要がある。糖尿病性腎症重症化予防など一部の事業は、地域の医師会や医療機関との連携、後期高齢者医療広域連合が行う高齢者の保健事業との接続も論点になる。さらに、保険者努力支援制度では、データヘルス計画に基づく取組の実施状況や成果が交付金の評価指標に組み込まれており、計画の実効性が財政面のインセンティブとも結びつく。担当課は、これら関連計画・施策との役割分担を整理したうえで自保険者の事業を位置づけることになる。

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