代位弁済とは、債務者が金融機関への返済を履行できなくなったとき、保証した信用保証協会等が債務者に代わって残債務を金融機関へ弁済することをいう。
中小企業が信用保証協会の保証付き融資を受けたあとに返済不能に陥ったとき、貸し手の金融機関の損失はどう処理されるのか。その答えが代位弁済である。保証協会が金融機関へ残債務を肩代わりして支払い、これによって金融機関は貸倒れを免れる。弁済した保証協会は、債務者本人に対して支払った額を取り立てる求償権を取得し、回収を進める。代位弁済の発生率(代位弁済率)は中小企業の経営環境を映す指標として注目され、不況期には上昇する。保証協会の財源には国・自治体の出捐や信用保険による補填があり、代位弁済はこの信用補完制度が機能する局面そのものを指す。
代位弁済から求償までの流れ
代位弁済は、保証付き融資が事故(延滞)となった局面で発生する。一般に、債務者が一定期間返済を滞らせると金融機関は期限の利益を喪失させ、信用保証協会へ代位弁済を請求する。保証協会は内容を審査したうえで金融機関へ残元本と一定の利息を弁済し、その瞬間に債権者の地位が金融機関から保証協会へ移る。以後、保証協会は債務者本人や連帯保証人に対し、弁済した額の返還を求める求償権を行使して回収にあたる。回収は分割弁済の合意、担保処分、法的手続など状況に応じて進められ、長期に及ぶことが多い。
信用補完制度における位置づけ
代位弁済は、信用保証協会・金融機関・日本政策金融公庫(信用保険)の三者からなる信用補完制度の中で、リスクが現実化する局面にあたる。保証協会が負った代位弁済の損失は、公庫の信用保険によって一定割合(保険てん補率)が補填される仕組みになっており、協会単独で全損失を抱えるわけではない。代位弁済率(保証債務残高に対する代位弁済額の割合)は、中小企業の倒産動向や景気を反映する指標として用いられ、リーマン・ショックや感染症対応の特別保証後など、保証残高が膨らんだ局面の数年後に上昇する傾向がある。
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