ジチテン

中小企業等経営強化法

読み:ちゅうしょうきぎょうとうけいえいきょうかほう

別名:経営強化法
意味

中小企業等経営強化法とは、中小企業者等の経営力の向上について、計画の認定・承認を入口として税制・金融・補助の各支援につなぐ枠組みを定めた法律である。経営革新計画・経営力向上計画・先端設備等導入計画という性格の異なる複数の計画制度を一本の法律に束ねている。

中小企業向けの支援策は、融資・保証・税制・補助と省庁や窓口がばらばらで、事業者からは「何にどう手を挙げればよいか」が見えにくい。そこで取組の中身ごとに計画を作って国や自治体の認定・承認を受け、それを各支援策への入口(資格)にまとめたのがこの法律である。

束ねられた計画は性格が異なる。経営革新計画は新商品開発など「新規性のある取組による経営の向上」を都道府県知事等が承認し、経営力向上計画は人材育成・設備投資による生産性向上を国が認定して税制優遇や金融支援につなぐ。先端設備等導入計画は市区町村の同意を前提に設備の固定資産税を軽減する仕組みで、ここだけ市区町村が認定主体として直接関与する。もとは平成11年の中小企業経営革新支援法に始まり、改正を重ねて平成28年(2016年)に現在の名称・体系に整理された。事業者の取組がどの計画の趣旨に合うかで選ぶ計画が変わり、複数を併用する例もある。

計画は「資金」ではなく「資格」を与える

この法律の計画制度を理解するうえで外せないのが、認定・承認はそれ自体が資金や減税を直接もたらすものではなく、各種支援策へアクセスする資格を与えるにとどまる点である。たとえば経営革新計画の承認を得ても、日本政策金融公庫の特別利率融資や信用保証協会の別枠保証、補助金の審査加点といった措置はいずれも別途の審査を経る必要があり、承認=資金獲得と誤解する事業者は少なくない。例外的に先端設備等導入計画は、市区町村が同意した設備について固定資産税の課税標準を軽減する効果が計画認定に直結するため、ここだけは「資格」より一歩踏み込んだ実利が計画自体に結びつく。自治体や支援機関の役割は、認定後にどの支援策へ橋渡しするかまで描いて伴走することにある。

市区町村が認定主体になる先端設備等導入計画

三つの計画のうち、市区町村が制度運用の前面に立つのは先端設備等導入計画である。事業者が労働生産性を一定以上高める設備投資の計画を作り、その市区町村が導入促進基本計画を定めていることを前提に認定を行う。認定されると、対象設備の固定資産税の課税標準が一定期間ゼロから2分の1の範囲で軽減され、軽減率は市区町村が条例で定める。つまり同じ計画でも、立地する市区町村が導入促進基本計画を作っているか、軽減率をどう設定しているかで効果が変わる。担当課は税の減収と地域の設備投資喚起のバランスを見て率を判断することになり、近隣自治体の設定状況が事業者の立地選択に影響することもある。

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