超過負担とは、国庫負担金・国庫補助金の対象事業について、国が定めた算定基準額が実際にかかる事業費を下回るために、その差額を地方公共団体が自らの財源で負担せざるをえない状態をいう。
国の補助事業を実施したのに、補助金だけでは費用が足りず持ち出しが発生する——これが超過負担の問題である。国庫負担金や国庫補助金は補助対象経費に補助率を乗じて算定されるが、その基礎となる単価・数量・対象範囲が実態より低く設定されていると、自治体は本来国が負担すべき分まで肩代わりすることになる。単価差(建設単価が実勢より低い)、数量差(必要な数量が認められない)、対象差(補助対象から外される経費がある)の三つが典型的な発生要因とされる。超過負担は地方財政法に反する国の負担転嫁として古くから問題とされ、摂津訴訟をはじめ訴訟や地方からの是正要求の対象となってきた。法令に基づく地方負担分(裏負担)とは異なり、本来は国が負うべき負担が制度運用上地方に転嫁される点に問題の本質がある。
単価差・数量差・対象差
超過負担は発生の仕方によって三類型に整理されるのが通例である。単価差は、国の算定単価(建設工事費や設置費の標準単価など)が実際の調達価格より低いために生じる差である。数量差は、施設の面積や設備の数量について国が認める数量が実際に必要な数量を下回るために生じる。対象差は、事業の遂行に必要であっても国が補助対象経費と認めない費目があるために生じる。いずれも、補助対象経費の算定そのものが実態を反映していないことに起因し、補助率の高低とは別の次元で自治体の持ち出しを生む。是正には算定基準の改定が必要であり、地方側は決算統計などを用いて実態との乖離を国に示してきた。
裏負担との区別
超過負担は、制度上正規の地方負担である裏負担(地方裏負担)と区別される。裏負担は、国庫補助負担金の対象事業のうち国が負担しない残りの部分で、はじめから地方が負担することが予定された正規の負担である。これに対し超過負担は、本来は国の負担対象であるはずの経費が、算定基準の低さによって事実上地方に転嫁されてしまう負担であり、制度の趣旨に反する点で性質が異なる。両者を混同すると、補助事業に伴う地方の財政負担の正当性を評価できなくなるため、財政実務では補助対象経費の積算と国の算定基準を突き合わせて、どこまでが裏負担でどこからが超過負担かを切り分ける。
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