地方共同法人とは、全国共通の特定の事務を処理するため、個別の法律に基づいて地方公共団体が共同で出資・設立し運営する公法人の総称であり、地方公共団体金融機構・地方公務員災害補償基金・日本下水道事業団などがこれに当たる。
資金調達や情報システムの運用のように、一つひとつの自治体が単独で担うと規模が出ず非効率になる事務がある。地方共同法人とは、こうした全国共通の事務を処理するために、個別の法律に基づいて地方公共団体が共同で出資・設立し運営する公法人の総称である。国が設立し国が目標を定める独立行政法人や、国の政策実施のための特殊法人と異なり、出資と運営の母体が地方公共団体である点に特徴がある。代表例として、全自治体の出資により地方公共団体への資金貸付を行う地方公共団体金融機構、地方公務員の公務災害補償を扱う地方公務員災害補償基金などがある。なお地方公共団体情報システム機構(J-LIS)は、かつて地方共同法人だったが、2021年9月のデジタル庁設置に伴う国の関与の抜本的強化で、地方共同法人とは別類型の「国及び地方公共団体が共同して運営する法人」へ再分類されており、現在は地方共同法人には含まれない。法人の類型と国の関与の度合いは個別法ごとに異なるため、ひとくくりにせず根拠法で確認する必要がある。
独立行政法人・特殊法人との違い(母体が国か地方か)
特別の法律によって設立される公法人にはいくつかの類型があり、地方共同法人はそのうち地方公共団体を母体とするものを指す。独立行政法人は国が設立して主務大臣が中期目標を与える法人、特殊法人は国の政策を実施するために特別の法律で設立される法人で、いずれも国が設立と監督の主体になる。これに対し地方共同法人は、全国の地方公共団体が共同で出資し、構成団体の関与のもとで運営される点が異なる。ただし公共性の高い事務を扱うため、根拠となる個別法によって主務大臣の認可や監督が定められており、運営が地方だけで完結するわけではない。法人の性格を判断するには、設立根拠の法律と出資・監督の構造を確認することが欠かせない。
主な地方共同法人と国の関与の変化(J-LISの例)
代表的な地方共同法人には、地方公共団体金融機構、地方公務員災害補償基金、日本下水道事業団などがある。地方公共団体金融機構は、旧公営企業金融公庫の業務を引き継ぎ、全自治体の出資により地方公共団体だけを対象に資金を貸し付ける。これに対し地方公共団体情報システム機構(J-LIS)は、2014年に地方共同法人として設立されたが、マイナンバー制度の基盤を担う重要性から、2021年9月のデジタル庁設置に合わせて国の関与が抜本的に強化された。その結果J-LISは地方共同法人ではなくなり、「国及び地方公共団体が共同して運営する法人」という別類型へ再分類されて、国の側からも代表者や監督の仕組みが入っている。同じ自治体共同の器でも、国の関与の度合いによって法人類型そのものが分かれることを示す例である。
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