ジチテン

地方人口ビジョン

読み:ちほうじんこうびじょん

意味

地方人口ビジョンとは、まち・ひと・しごと創生法に基づき、都道府県・市町村が地方版総合戦略の前提として定める、当該地域の人口の現状分析と将来展望を示す文書をいう。

人口減少にどう向き合うかを地域ごとに考える際、まず必要なのが自分たちの人口の今と将来を見据えることである。地方人口ビジョンは、その分析と将来展望を示す文書で、地方版総合戦略を策定する土台となる。国が示した長期ビジョンに対応するもので、都道府県・市町村が出生率や転入出の動向を分析し、人口減少の要因や見通しを明らかにしたうえで、目指すべき将来の人口の姿(目標人口)を描く。この将来展望を踏まえて、結婚・出産・子育て支援や移住定住、雇用創出といった具体策を盛り込んだ地方版総合戦略が立てられる。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口などを基礎データとして用いる。

総合戦略との関係

地方人口ビジョンは単独で完結する文書ではなく、地方版総合戦略とセットで機能する。ビジョンが人口の現状分析と将来展望(目標人口や目指す出生率の水準)という「目標」を示し、それを実現するための具体的な施策・KPIをまとめたものが総合戦略という関係にある。国の「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」と「総合戦略」の構造を、都道府県・市町村レベルに引き写したものといえる。第1期(2015年度開始)では独立した文書として策定する団体が大半だったが、第2期以降は総合戦略と一体の文書に整理する団体も増えた。

推計の前提と乖離

地方人口ビジョンの将来展望は、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の将来推計人口を出発点に、独自の政策効果(出生率の回復や社会移動の改善)を上乗せして描くことが多い。このため、政策が奏功する前提で社人研推計より高めの人口を目標として掲げる例が目立ち、現実の人口動態が目標を下回る乖離がしばしば問題となる。総合戦略の改定時には、実績と目標のずれを検証し、ビジョンの将来展望や施策を見直す必要が生じる。検証を欠いたまま過大な目標が残ると、施策の実効性を測れなくなる。

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