文書管理規程とは、公文書の起案・収受・決裁・施行・保存・廃棄に至る一連の事務処理の方式を定める、自治体内部の訓令である。
起案はどの行為について必要か、合議はどこまで回すのか、完結した文書を何年保存していつ廃棄するのか。これらを職員が判断に迷わず処理できるよう、文書事務の標準的な手順と様式を一律に定めるのが文書管理規程である。文書主義のもとでは行政の意思決定は文書によって行われるため、その作成から廃棄までの取扱いが部署ごとにばらつくと、意思決定の経緯が追えなくなり、後年の検証や情報公開請求への対応に支障が出る。そこで首長が訓令として規程を定め、起案書の書式、決裁区分、合議を要する案件の範囲、保存年限の分類基準などを統一する。文書取扱規程・文書事務規程など名称は団体により異なるが、文書事務の根拠となる内部規範である点は共通する。起案規程・公印規程など関連する規程と一体で運用される。
文書管理規程が定める標準的な事項
文書管理規程は、文書事務の各段階を職員が統一的に処理するための内部ルールである。典型的には、外部から到達した文書を受け付ける収受の手続、職員が意思決定案を起こす起案の書式と起案を要する行為の範囲、決裁権者と専決・代決の区分を定める決裁区分、関係部署の了承を得る合議の対象、決定を外部へ表示する施行の方法、そして事務処理が終わった完結文書の保存年限と廃棄の手続を規定する。これらを規程で一律に定めることで、担当者が交代しても文書の処理方式が変わらず、意思決定の過程が記録として残る。文書主義(行政の意思決定と事務処理を文書で行い記録する原則)を組織の末端まで実装する装置が、この規程である。
公文書管理法・情報公開条例との関係
国では公文書等の管理に関する法律が行政文書の管理を法律で義務づけ、自治体に対しても同法の趣旨にのっとった文書管理を求めている。これを受け、文書管理規程は単なる事務の便宜ではなく、行政の説明責任を支える基盤として位置づけられるようになった。保存年限を経過する前に廃棄したり、決裁の経緯を残さなかったりすれば、情報公開請求の際に開示すべき文書が存在せず、行政の透明性が損なわれる。このため近年は、電子決裁システムの導入に合わせて規程を改正し、紙文書を前提とした収受・施行の規定を電子的な処理に対応させる団体が増えている。保存年限の分類基準を文書管理規程の別表で定め、各文書の重要度に応じて一年・五年・十年・永年などに区分するのが一般的である。
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