ジチテン

文書事務

読み:ぶんしょじむ

別名:文書取扱
意味

文書事務とは、地方公共団体において文書の収受から起案・決裁・施行を経て、保存・廃棄に至るまでの一連の取扱いを指す事務をいう。文書の作成・処理・管理の手続を定めた文書規程に基づき、各課と文書主管課が分担して行う。

口頭の指示や記憶だけで行政を運営すれば、誰がいつ何を決めたのかが後から確かめられず、住民への説明も継続性のある事務もできなくなる。行政の意思決定は文書によって行うという文書主義を支えるのが文書事務であり、文書を一定の手続に乗せて処理し、必要な期間きちんと残すための実務全体を指す。

文書事務は大きく、外部から届いた文書を受け付ける収受、職員が案を作り上司の決裁を得る起案・決裁、決裁を経た文書を相手方や住民に発する施行、処理を終えた文書を一定期間保管する保存、保存年限を過ぎた文書の廃棄という流れで構成される。これらの手続と様式は各団体の文書規程文書取扱規程が定め、全体の調整や文書管理システムの運用は総務課などの文書主管課が担う。

近年は紙の文書を前提とした手続から、電子決裁や文書管理システムによる電子的な処理へと移行が進み、公文書管理法の趣旨を踏まえた適正な記録の作成・保存も求められる。新規採用職員がまず覚える基礎的な事務である一方、保存年限の設定や情報公開請求への対応など、奥行きのある実務でもある。

文書のライフサイクルと各段階の手続

文書事務は、一通の文書がたどる一連の段階に対応している。外部から届いた文書は収受の手続で受け付けられ、文書件名簿などに記録のうえ担当課へ配付される。職員が新たに意思決定や対外発信を行う場合は起案を行い、回議合議を経て決裁を受ける。決裁を経た文書は浄書・施行され、相手方や住民に発せられる。処理が終わった完結文書は、内容に応じて定められた保存年限まで保存され、年限を過ぎたものは廃棄または歴史公文書として移管される。各段階の様式・処理方法は文書規程が定め、どの段階でも誰が処理したかを記録に残すことで、後からの検証と説明責任を確保する。

文書主管課と各課の役割分担

文書事務は、文書を実際に作成・処理する各課(原課)と、文書事務全体を統括する文書主管課との分担で成り立つ。文書主管課は多く総務課に置かれ、文書規程の整備、文書の収受・配付の総括、文書番号や文書記号の管理、保存文書の管理、文書管理システムの運用などを担う。各課は自らの所掌事務に関する文書を起案・処理し、保存・廃棄まで責任を持つ。電子決裁・文書管理システムの導入後は、収受から保存までを一つのシステム上で管理する団体が増え、紙と電子が併存する過渡期の運用や、公文書管理法を踏まえた記録の適正管理が実務上の論点となっている。

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