分割納付とは、滞納者が滞納している税等を一括では納付できない場合に、税額を複数回に分けて納付することをいう。
一括では納められないが差押えまでは避けたいという滞納者に対し、自治体はどのように納付を実現させるのか。分割納付は、滞納整理の現場で納税相談に基づき合意される納付方法であり、滞納者の収入・財産・生活状況を踏まえて、月々一定額を継続して納付させる計画を定める。法令上の正式な猶予処分である徴収猶予や換価の猶予の条件として分割納付が定められる場合と、これらの法定猶予によらず納税相談に基づく事実上の取扱いとして分割納付を認める場合とがあり、後者は法的な差押えの制限を伴わない点に注意を要する。分割納付の合意に際しては納付計画を記載した申請書や誓約書を徴し、計画どおりに納付されない場合は差押え等の滞納処分に移行する。生活困窮者には換価の猶予や滞納処分の停止を、担税力のある滞納者には早期完納を促すなど、事案に応じた使い分けが徴収の現場判断となる。
法定猶予に基づく分割納付と事実上の分割納付
分割納付には、地方税法上の徴収猶予・換価の猶予の条件として定められる「法定猶予に基づく分割納付」と、これらの猶予処分によらない「事実上の分割納付」がある。徴収猶予や換価の猶予が認められると、猶予期間中は新たな督促・差押えが制限され、延滞金の全部または一部が免除されるなど法的な効果が生じ、その中で分割の納付計画が定められる。これに対し、納税相談に基づき事実上分割納付を認める取扱いは、徴収手続上の運用であって法定の猶予処分ではないため、延滞金は本則どおり加算され、計画どおりに納付されなければ法的な制約なく差押えに移行できる。実務では、要件を満たす事案は法定の換価の猶予へ誘導し、要件を満たさない事案は事実上の分割で対応するなど、滞納者の状況に応じた使い分けが行われる。
納付計画と不履行時の対応
分割納付を認めるにあたっては、滞納者の収入・支出・財産の状況を聴取し、完納までの期間と各回の納付額を定めた納付計画を作成する。実務では分割の方法を記載した申請書や納付誓約書を徴し、計画の内容と不履行時の取扱いを明確にする。猶予期間は換価の猶予で原則1年以内とされるなど、いたずらに長期の分割を認めると徴収が長期化し公平を損なうため、可能な限り短期の完納を促す。計画どおりに納付されない場合は、督促・財産調査を経て差押え等の滞納処分に移行する。生活の維持が著しく困難な滞納者には分割納付に固執せず、換価の猶予や滞納処分の停止、福祉部門との連携といった出口を検討することが、回収と生活への配慮を両立させる現代の滞納整理の基本姿勢となる。
ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)