ジチテン

防災管理者

読み:ぼうさいかんりしゃ

意味

防災管理者とは、消防法に基づき、一定規模以上の大規模・高層の防火対象物において管理権原者が選任し、地震その他火災以外の災害に備えた防災管理に係る消防計画の作成や避難訓練の実施を担う有資格者である。

高層ビルや大規模施設を所管する自治体の予防担当者が「この建物には防火管理者だけでなく防災管理者も要るのか」を判断する際に問われるのが、この区分である。防災管理者は2007年の消防法改正で、火災を主眼とする防火管理者とは別に、地震など火災以外の災害への備えを担う者として制度化された。対象は政令で定める大規模・高層の防火対象物(おおむね地階を除く階数11以上かつ延べ面積1万平方メートル以上など)で、管理権原者が資格を持つ者から選任し、消防機関へ届け出る。防災管理者は地震時の自衛消防活動や避難・安全確保を定めた防災管理に係る消防計画を作成し、これに基づく避難訓練を年1回以上実施する義務を負う。実務では、防火管理と防災管理の双方が義務付けられる建物では両者を一体の消防計画として整理し、選任・届出の漏れがないかを立入検査で確認することになる。

防火管理者との違いと一体的選任

防災管理者は、火災予防を目的とする防火管理者と対象とするリスクが異なる。防火管理者が消防法第8条に基づき火災の予防・初期対応を担うのに対し、防災管理者は同法第36条に基づき地震をはじめとする火災以外の災害への対応を担う。両者が義務付けられる大規模・高層の防火対象物では、防災管理者は防火管理者の資格も併せ持つ者が選任されることが多く、防火管理に係る消防計画と防災管理に係る消防計画を一体のものとして作成・届出することが認められている。自治体の予防担当者は、建物の規模・用途から防災管理の義務の有無を判定し、選任・届出と訓練実施の状況を立入検査で確認する。

大規模・高層建築物に課される背景

防災管理の制度は、2003年の十勝沖地震での石油タンク火災や高層建築物の増加を背景に、火災以外の災害、とりわけ地震による被害の拡大を防ぐ目的で2007年の消防法改正により導入された。対象となるのは政令で定める一定規模以上の防火対象物で、地階を除く階数や延べ面積によって線引きされる。これらの建物では多数の在館者が同時に避難する必要があり、エレベーター停止や落下物への対応など火災とは異なる行動が必要となるため、地震を想定した自衛消防組織の編成と避難経路の確保をあらかじめ計画化しておくことが義務付けられている。

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