防災・安全交付金とは、国土交通省が所管する交付金で、地方公共団体が行う防災・減災や老朽インフラの維持管理・更新、生活空間の安全確保に係る事業を支援するものである。社会資本整備総合交付金から防災・安全に関わる分野を切り出して創設された交付金である。
老朽化した橋やトンネル、河川堤防の補強、通学路の安全対策といった、命に直結するが目立ちにくい事業に自治体が継続して予算を充てるには、安定した国の支援が要る。防災・安全交付金は、社会資本整備総合交付金のうち防災・減災と維持管理・更新に関わる分野を独立させ、これらの事業を計画的に進められるようにした交付金である。2012年に発生した中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落を一つの契機として、老朽インフラの点検・修繕への財政支援を厚くする狙いがあった。自治体は整備計画を作成し、橋梁の長寿命化、河川・砂防・海岸の防災事業、密集市街地の改善、通学路の交通安全対策などを一つの枠で束ねて実施する。平時のまちづくり全般を対象とする社会資本整備総合交付金と異なり、防災・安全という政策目的に絞って配分される点が特徴である。
社会資本整備総合交付金からの切り出しと対象事業
防災・安全交付金は、社会資本整備総合交付金(社総交)のうち、防災・減災、老朽化対策、生活空間の安全確保に関わる分野を切り出して2012年度に設けられた。背景には、東日本大震災で明らかになった防災・減災投資の必要性と、笹子トンネル天井板崩落事故に象徴される高度経済成長期に整備したインフラの老朽化がある。対象は、橋梁・トンネルなどの点検・修繕や長寿命化、河川・砂防・海岸・下水道の浸水対策、土砂災害対策、密集市街地の改善、通学路を含む交通安全対策など命や生活基盤に直結する分野に及ぶ。自治体はこれらを整備計画に位置付け、複数の事業を束ねて交付を受ける。社総交が地域づくり全般を対象とするのに対し、防災・安全交付金は政策目的を防災・安全に限定し、命や生活基盤の維持に直結する事業を継続的に支える役割を担う。
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